水 質 用 語 

  p H(水素イオン濃度)

     水の酸性、アルカリ性の度合いを示す指標で、水素イオン濃度の逆数の常用対数で示している。
    0〜14の範囲で、7が中性、7より大きいとアルカリ性、7より小さいと酸性であることを表
    す。pHの急激な変化は、有害物質の混入等異常があったことを示す。
     河川では、通常pH6.5〜8.5が適しているといわれている。

  BOD(生物化学的酸素要求量)

     水中にある有機物を、微生物(バクテリア)が分解する時に消費する酸素の量を示し、河川の
    汚濁を表す場合の代表指標として使用される。
     一般的に数値が大きくなれば、水中に有機物が多く、水が汚濁していることを意味する。
     水道の原水としては、3mg/lであることが望ましく、魚では汚濁に強いコイ・フナ類でも
    5mg/l位までが限度で、河川環境の立場からは4mg/l程度までが望ましい。

  COD(化学的酸素要求量)

     水中にある酸化されやすい物質(藻類、浮遊物質等)が、酸化剤により酸化される時に消費さ
    れる酸素の量をいい、湖沼、海域の汚濁を表す場合の代表指標として使用される。
     通常の場合、その酸化剤には過マンガン酸カリウムを使用する。
     BODが水中の生物の活動によって消費される酸素量をいうのに対し、CODは化学的に消費
    される酸素量をいう。
     CODは河川には環境基準値はなく、湖沼・海域に定められている。

  S S(浮遊物質量)

     粒径2mm以下の水に溶けない懸濁性の物質をいい、粘土鉱物に由来する微粒子が普通である
    が、他に動・植物プランクトンの有機物質も含まれる。
     通常、高い数値ほど濁ったことを示す。

  D O(溶存酸素量)

     水中に溶解している酸素量をいい、空気中から溶け込む酸素と、水中にいる藻類から排出され
    る酸素からなる。
     魚介類が生存するためには、3mg/l以上の溶存酸素が必要といわれている。

  大腸菌群数

     大腸菌群数は、大腸菌および大腸菌と性質がにている細菌の数をいう。
     し尿汚染の指標として使われている。
     大腸菌群数の数値は、検水100ml中の最確数(MPN)で表しているが、最確数とは「この位
    だ」という数字である。

  総窒素(T−N)

     総窒素は、窒素化合物全体のことをいう。窒素は、動植物の増殖に欠かせない元素で、富栄養
    化の目安となる。
     総窒素は河川には環境基準値がなく、湖沼・海域に定められている。

  総リン(T−P)

     総リンは、リン化合物全体のことをいう。リンは、動植物の増殖に欠かせない元素で、富栄養
    化の目安となる。
     総リンは河川には環境基準値がなく、湖沼・海域に定められている。

  富栄養化

     湖沼やダム湖などの水の出入りや交換が少ない水域において、窒素やリンなどの栄養塩類の濃
    度が増加することをいう。特に、肥沃な土壌や人間活動が盛んな地域の下流の上記のような湖な
    どでは、豊富な栄養塩類が流入してくるために富栄養化が進み、藻類が大量発生し、水の華、淡
    水赤潮などとよばれる現象がおこる。

  クロロフィルa

     葉緑素の一種であり、あらゆる植物性プランクトンに含まれている。
     水中のクロロフィルaを測定することによって、水中に存在する植物性プランクトンの相対的
    な現存量を知ることができる。

  環境基準

     国や地方公共団体が公害防止対策を進めるために、環境の質をどの程度のレベルに維持してお
    くことが望ましいかという目標値をいう。
     環境基本法によって、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音について定めることとされている。
     水質汚濁に係る環境基準は平成5年に改正され、人の健康の保護に関しては23項目・生活環
    境の保全に関しては、河川5項目・湖沼7項目・海域7項目の基準が定められている。

 

                        建設省 中国地方建設局  公表資料より